今更もう戻れない(仮)

好きなものを 好きなように 好きなだけ

ばんぎゃるだけど武道館観たよ!

基本的にはテレビを観ることの少ないわたしですが、ここ2カ月ほどは珍しくドラマを3本も観ていました。去年の秋から引き続いての「相棒」、年明けから始まった大河ドラマの「真田丸」、そしてフジテレビ深夜枠の「武道館」です。

www.fujitv.co.jp

ストーリーに興味があって観始めた前者2作とは違い、武道館を観始めたのは完全に演者目当てでした。ストーリーは原作を読んでいたので知ってましたし。ハロー!プロジェクトに所属するjuice=juiceというグループが、作中に登場するアイドルグループNEXT YOU役として主演で出ると聞いたからです。「毎週新しいjuice=juiceの動画が見れる!」というなんともどうしようもない理由で楽しみにしていたドラマでしたが、なぜか気付いたら毎週の放送を時に楽しみに、時に気が重くなりながら待っていました。…ほんとそこまで「すごく面白い!」とは思わなかったんですけどね、何が言いたいのかよく分からなかったし←

そんなドラマのお話しです。ドラマの内容や原作の小説のネタバレも入りますのでご注意ください。ちなみに原作は読んでますけど、スカパー版は見ていません。

 

 

 

 

このお話の主人公はアイドルグループNEXT YOUに所属する日高愛子ちゃんという女の子です。NEXT YOUは駆け出しアイドルグループで、水着や握手商法のバッシングやら体系維持問題、メンバー間格差などさまざまな問題にぶつかりながらも、目標として掲げる武道館公演に向けてがんばっていきます。NEXT YOUは徐々に大きくなり、ドラマの終盤では日本武道館公演も決まります。

その一方で、愛子ちゃんには幼馴染の大地くんという大切な存在もあります。愛子ちゃんが迷っている時、弱っている時、大地くんは優しく背中を押してくれます。でもそんな大地くんとの関係が、ドラマの終盤ではまたキーポイントになっていきます。

…とここまで書くと勘の良い方はお気づきになると思いますが、愛子ちゃん、最終的には大地くんとの関係がセンテンススプリングされて、グループを脱退します!武道館のステージに立つこともなく!

 

 

好きなバンドマンが恋愛したら嫌?

 

ここの価値観によってこのお話しの見方はだいぶ変わってくると思います。

わたしはドルヲタではなく基本的にはバンギャルなのでバンドマンにしてみました。これはバンギャルの総意ではなくあくまでわたし個人の価値観なんですけど、わたしはバンドマンの恋愛は基本的にはオッケー派です。「基本的には」とつけたのは、お金が絡んでいたり、結婚したくせに不倫したりとかそういうダーティなのは嫌だからです。クリーンならオッケー!出来れば恋愛後も表舞台に立ち続けてほしいけど、難しいようであればそれもそれで致し方ないのかなぁ…でも悲しいなぁ…といった感じです。

アイドルに対してもだいたい同じ考えです。だから「アイドルは絶対に恋愛禁止」というのがイマイチ染みついていないので、ドラマや小説をみていてなんかもやっとした気持ちになることもありました。

 

 

メンバーのこと

 

NEXT YOUは5人組のアイドルです。もともとは6人でしたが1人は1話の開始10分くらいで卒業したので、5人で物語は進んでいきました。

 

日高愛子ちゃん

先述した主人公の女の子です。NEXT YOUは彼女以外は子役出身や事務所の研修生上がりの子なので、彼女が唯一の素人からのスタートでした。

正直なところ、原作を読んだときは愛子ちゃんのことはそんなに好きじゃなくて彼女のとった行動にもいくつも疑問が残ってたんですけど、宮本佳林ちゃんの演じる愛子ちゃんを観て印象が変わりました。こういう風に考えてたのかとか、このシーンはこうだったのかとかが佳林ちゃんを通して自分の中でしっくりきたように思いました。だめだと思いながらも幼馴染の大地くんとそういう関係になってしまうところとか「あぁだからそっちを選ぶんだ」となんかすごく納得がいきました。自分の思いと周りの希望がすれ違ったとき、自分の思いを肯定してくれたのが大地くんだったんだろうなーと思いました。これは最後に本人も言ってることなんですけど。

話が進むごとに、アイドルへの気持ちも大地くんへの思いもどんどん大きくなってくように見えたので、わたしのような考えの人は「なんで両立だめなんかなー」と思いつつも、まぁ大地くんのことがバレたら十中八九退場だろうと思いなんとかバレないでくれと願いつつみていました。まぁ結末は原作読んでたので分かってたんですけど。でもあの愛子ちゃんはアイドルワンチャンあるかなと思わせてくれる何かもあったんですよ。

 

・堂垣内碧ちゃん

グループ最年少ながらセンターをつとめ、人気もグループで1番です。ドラマのオファーや映画のオーディションにも勝ち抜き女優としてのソロ仕事もこなしていきます。そして、この子も愛子ちゃんと同じ時期に彼氏との2ショットをスキャンダルされて武道館に立つことなく脱退します。

原作では碧ちゃんがだんだん彼氏に気持ちがいってしまう過程やそんな気持ちを愛子ちゃんと共有する場面が描かれているのですが、ドラマではほぼないんです。時間の都合上仕方がなかったんでしょうけど。なのでドラマではなんかいきなり碧ちゃんに彼氏がいて、その相手も大して視聴者の記憶にはないスタッフだし、碧ちゃんが惚れた理由もよく分からない感じでした。

そんな感じなので最後の最後まで個人的にはドラマ碧ちゃんは恋愛する必要なかったんじゃないかと思っていたんですが、ほんとの終盤、最終話のスタッフロールが流れたときに「あー!」ってなりました。愛子ちゃんと碧ちゃんがこれからアイドルを続けるか2人で話す場面なんですけど、「正しい選択なんてない。自分の力で正しい選択にしてみせる」と言って、自分の中で「アイドルである碧」の象徴だった前髪をキープするためのピンを外して去っていくんです。この結論に碧ちゃんが辿り着くには恋愛や彼氏の存在が必要だったのかなと思いました。

 

・安達真由ちゃん

明るく元気なグループのムードメーカーの女の子。ちょっとぽっちゃりした体系と太りやすい体質がコンプレックスではあるようですが、そんな彼女の悩みをフューチャーした回は可愛かったし、ハラハラする展開が多い中で癒しでした。高木紗友希ちゃんの笑顔がわたしが原作を読んでイメージした真由ちゃんのイメージとあってて良かったです。

スキャンダルを起こした2人に激しく憤るメンバーもいる中、真由ちゃんは「すごくムカついてるけど、2人がいなくなるのは寂しい。一緒に武道館に立ちたい」と伝えます。「彼氏じゃなくて私達を選んでくれるって信じてる」と。超良い子!こんな子お話の中にしかきっといないでしょ!でもそこがいい!ドラマの終盤武道館で待つ3人のもとに愛子ちゃんがやって来るんですけど、愛子ちゃんの姿を見つけた瞬間に真由ちゃんがすごく嬉しそうな良い顔をしてて、すごく可愛くてすごく切ないです。

 

・坂本波奈ちゃん

最年長でリーダー。落ち着きのあるしっかり者な感じです。愛子ちゃんと碧ちゃんが立てなかった武道館公演は彼女の卒業コンサートだったんです。なんてこった。

2人のスキャンダルによって、彼女は自分のリーダーとしての不甲斐なさに悩みます。でもチーフマネージャーに「リーダーはお前しかいない」と言われ、最後までリーダーとしての仕事をやり抜こうと決心します。そして武道館にメンバー全員を集めるんです。でも碧ちゃんは直前に愛子ちゃんと話してグループ脱退の意思を告げて武道館には現れず、武道館に現れた愛子ちゃんも結局は…。ということで、おいこの2人、はなさまの最後の仕事になんてことしてくれてんじゃい!まったく!…なんで怒っているかって?わたしのJ=Jでの推しははなさま役の金澤朋子ちゃんだからです!!←

 

・鶴井るりかちゃん

年長組だけど甘えん坊で泣き虫。でもイベントでファンを装った糞野郎に襲撃されかけますがそれでもめげない強さもある女の子です。そしてたぶんきっと1番「アイドルはこうあるべき」というのが自分の中であって、しかもそれを実践してるのがるりかちゃん。それ故にスキャンダルを起こした2人に1番厳しい態度だったのもるりかちゃんです。原作だと脱退を要求してきますし。

バンドマンとファンは他人だと思います。そりゃあ無下に捨てられたら悲しいけど、進みたい方向性があった時にファンを理由に踏みとどまってほしくないし、バンドにとってマイナスになるなら切り捨てられても致し方ないのかもしれないと思います。ただそうは思っていても、るりかちゃんがスキャンダル発覚した愛子ちゃんに言った、「少しでもファンの人のこととか、CD買ってくれた人のこととか考えなかったの?」という言葉はやっぱり嬉しかったです。ファンという立場の人間として。こんな状態の時でもファンのことを考えてくれる人がいるんだと。自分たちの人気を考えた打算の上での発言だったとしても、そもそも物語の中の話だけど。それでも。

 

NEXT YOUのメンバーはざっくりこんな感じです。

その他に、マネージャー、プロデューサー、大地くん、愛子ちゃんのお父さんなど何人かがストーリーに絡んできます。

 

 

メンバーじゃないけどこの人はすごく気になった

 

ドラマにも原作にも登場するハカセという人物です。強めの愛子ヲタでカリスマブロガーでもあるようでその界隈では名前が知れ渡っているようです。六角精児さんが演じています。ストーリーの中で名前のついた…というか固定の役者さんがついたモブじゃないファンはこの人だけです。

結構強烈な愛子ヲタで、握手会もループは当然、自宅でもヲタTを着用し、グッズやCD、コンサートのチケットなどがショーケースに入れて部屋に飾ってあります。撮影の都合上でしょうが(←)、いつもライブハウスの最前にいます。ネットに張り付き、掲示板に目を光らせたり、NEXT YOUを取り上げたブログを更新する様子なんかも多く描かれています。世間一般が抱くドルヲタの極端なイメージを凝縮したような印象を受けました。そんな様子を見て「コイツ愛子のスキャンダル発覚したら暴れるだろうなー」と思ったんです。スキャンダル発覚時のハカセの様子は原作でも描かれていない部分でしたし。でもハカセの反応はわたしの予想に反していました。落胆はしていましたが、「こんな大事な時期に」と頭を抱えるのみ。「あ、この人別に過激派じゃなかった」と気づいた瞬間でした←

ドラマの最終話は、スタッフロールが終わるといきなり12年後にとびます。そこでまず描かれているのは白髪交じりのハカセがPCに張り付いてNEXT YOUのHPを見ている姿。その目の輝きは12年前と変わりません。推しがあんなことになってもハカセはまだNEXT YOUのファンだったんです。これがこのドラマを通してなんだか1番リアルな感じがわたしにはしました。そしてなぜかちょっと嬉しかったです。

 

 

で、アイドルと恋愛についてどう思ったのか

 

これについては正直あまり考えは変わらずという感じでした。野村チーフマネージャーが言った「アイドルが恋愛することはメンバーや周りのスタッフの信頼を裏切ることになる」っていうのはちょっと納得しましたけど。たしかに売れるために必死に頑張ってるのにその当事者が自ら人気を下げるような行為をしてはきっとだめですよね。

ただ12年後のシーンではプロデューサーが「昔はアイドルは恋愛が発覚しただけで卒業を迫られたりしました(笑)」とコメントを出しているので、制作陣は恋愛がアイドルにとってマイナス要素になる風潮自体に疑問を呈しているのかもしれないとも思いました。制作側の意図なんてこっちには分かりませんが。

 

このドラマは最後に愛子ちゃんが脱退するにあたってのファンに向けた最後のメッセージ動画で終わります。

小さいころから歌うことが大好きだったこと、武道館公演は自分の夢だったこと、今もそれは変わらないこと。でもアイドルを続けていく中で制約も増え、他人の中の自分を生きているような感覚になってしまったこと。そんな中で本当の自分を好きだと言ってくれた人がいて、その気持ちにだけ応えたくなってしまったこと。だから武道館のステージには立てないこと。

涙を浮かべながらそれでも笑顔を懸命に作って話す愛子ちゃん。「アイドルじゃなくなってしまったみたいです」って言うんです。辛いなぁ…。

でもきっとここから愛子ちゃんはこれを正しい選択にしていくんでしょう!うん!

 

 

結局ブログを書いてても自分もこのドラマも何が言いたいのかよく分からないままだったんですけど(←)、こうしてわたしのいつもよりドラマを観る生活は終わりました。

さーて、来月からはいよいよナイトメアの春ツアーが始まります。楽しんできまーす!

 

<